あんたの話は伝わらない(採用担当者編)

採用担当者編というか、それ以外の編は予定していないが

今年に入って徐々に新卒採用の説明会が増えてきた。スタイルはまちまちだが、基本的には採用担当者が時折映像を見せながら演台に立って企業紹介をするというところだろうか。

映像はなぜか眠くなるが、今回問題にしたいのは映像ではなく採用担当者の語りだ。大きく分けて3パターンある。一つ目が「棒読み」二つ目が「プレゼン」三つ目が「自分の言葉」。

「棒読み」をするのは若手社員が多い。原稿を読み上げているだけという雰囲気がする。さすがにこんな会社は少ないが夏のセミナーにはよく見かけたし、採用説明会でも稀にみられる。

一番多いのが「プレゼン」だ。社員教育の成果が発揮されているといえる。会社のメッセージをそつなく伝えている。原稿を暗記してきているのだろうが、原稿をしゃべっているという感じをさせないのが上手いプレゼン。

あまり大きくない会社のベテラン人事がよくやるのが「自分の語り」。企業のメッセージというよりは、自分の職業観や業務知識を元に語るスタイルだ。実際のところ企業人でありどこまでが本音かはわからない。けれど、言わされているのではなく自分で語っている感じがするのが好印象だ。多くの場合社長プレゼンもこの領域に入る。

採用担当者に忘れて欲しくないのは、学生は三番目しか選択肢がないということだ。学生は、面接で語ることを自分の言葉にしようと努力している。個人として企業に語ろうとしている。にもかかわらず、企業の採用担当者は原稿を読み上げることさえ許されている。就活生は問題があるかもしれないが真正面から企業に向かい合おうとしている。採用担当者は自分の地位に甘えていないだろうか。企業側の「コミュニケーション能力」こそ問われるべきではないか。あんたのはなしは伝わんないよ。